ひろぽんの小石川日乗 2015〜

還暦を迎えたおじさんが、日々の喜怒哀楽をつづるブログ

オラドゥール

Screenshot 1108

 第2次世界大戦中、ナチス親衛隊により、女性・子供を含む600人以上の村民が教会に閉じこめられ火を放たれるなどして、ほぼ全滅したフランスの小さな村「オラドゥール」。その戦後70年を東京新聞8/10夕刊が報じている。戦後、独仏和解が進むなかでも、この村だけはそれを拒み続けてきた。しかし前村長らの努力で、2013年、ドイツ大統領のヨアヒム・ガウクがこの村を訪問、オランド仏大統領と共に、数少ない生き残りの村人と握手を交わした。

 虐殺の歴史を記憶するため、破壊された村はそのまま廃墟として保存されている。そのことは何かで読んだか見たかした記憶があるのだが、和解に至るプロセスの詳細については初めて知ることができた。(虐殺の詳細については、Wikipediaを参照)


 こうしたナチスによる住民皆殺しは当時のヨーロッパには他にもいくつかあり、それらを、史実に忠実にというよりは象徴的に語ったり、ある種のエピソードとして挿入する映画はいくつもある。

 例えば、ロベール・アンリコ監督、ロミー・シュナイダー助演の1975年の映画『追想』がそうだ。映写会の機会を復讐の場に選ぶというそのストーリーは、タランティーノ監督の『イングロリアル・バスターズ』(2009年)でよりダイナミックに継承された。

 しかし、これらの映画では無慈悲な虐殺に対する正当な復讐は描かれるものの、復讐者のその後は描かれない。失われた家族や故郷への追想のかたわら、新たな殺人者になった主人公らの心理的葛藤は描かれない。絶対的な悪と絶対的な善がスパイラルに交叉しながら、最終的には映画的カタルシスを導くという、いわば戦争映画の古典的ともいえる手法に終始している。


 同じナチスによる虐殺をエピソードに含みながらも、謝罪と和解への歩みだしを描いたのは、スティーブン・ダルドリー監督『愛を読む人』(ベルンハルト・シュリンクの小説『朗読者』の映画化。2008年)だ。

 終戦後何年か経って戦犯として法廷に引きずりだされた、かつての少年の年上の愛人は、空爆を受けた強制収容所を職務に忠実なあまり解錠せず、結果として囚人の大量焼死をもたらした罪で訴追されていた。


 そのことを主人公=かつての少年は知らなかった。そして最初は、同じドイツ人としてその罪をどうしても赦すことができない。しかし、やがて彼女が刑務所で自死すると、その遺志を継ごうと動き始める。女囚が貯めたわずかばかりのお金を被害者の遺族に渡すために渡米するが、遺族とは完璧には和解できない。かつての愛人の罪に同伴する主人公の謝罪は、中途半端なまま中空に浮いている。

 だが、その葛藤こそが、虐殺の責任を問う意識が、和解へと導かれる一つの過程なのだ。

 戦争犯罪と和解。それには半世紀いやそれ以上の時がかかる。和解のプロセスは尋常な努力ではないだろう。しかし、それを放棄したり忘却したとき、それはあらたな憎悪として蘇ってしまうだろう。

[ 2015/08/11 03:06 ] movies | TB(-) | CM(0)

「新国立競技場計画の白紙撤回」日経の検証記事

⇒ 幻の巨大アーチ、失われた2年半 検証・新国立競技場計画の白紙撤回:

 アーチは、現地の仮設溶接所で鋼板を接合してパーツを作り、クレーンでつり上げて空中でつなぎ合わせていく――。たわみを防ぐためにミリ単位の精度が求められる難工事が待っていた。 異例のデザインが当初から抱えていた問題は、「日本の技術力を示す」という掛け声にかき消された。ある構造設計の専門家は「やめてよかった。工事に突き進んだら何が起きていたか分からなかった」と話している。

日経新聞 2015/07/30

 日経の検証記事。それほど目新しい話はないが、上記に引用した構造設計エンジニアの言葉は興味深い。ミリ単位の精度はニッポン技術の得意とするところだが、それにはカネと時間とヒトがかかる。過信すると、今回のようなドタバタを引き起こすというケーススタディにはなるだろう。


 後は、7月17日の官邸執務室での安倍・森・遠藤・下村・菅らによる最終会議で、森が放ったという言葉。

 重苦しい空気が流れたが、沈黙していた森氏はラグビーのチームプレー精神を示す言葉で協力を訴えた。「あとはOne for all, all for one(1人はみんなのために、みんなは1人のために)だ」


 小学校の児童会じゃないんだからさ(笑)

[ 2015/07/30 04:42 ] sports | TB(-) | CM(0)

新国立はラグビーW杯のために改築が決まった

Sinkokuritsu

 東京新聞2015/07/06朝刊特報面の連載コラム「小川勝の直言タックル」で、スポーツライターの小川勝氏が、新国立競技場の経緯や問題点に触れている。


 森喜朗会長は「(五輪は)東京都がやりたいと言った。東京都が場所を用意するのは当たり前のこと」と語っている。だが、この論理はちょっとおかしい。

 なぜなら、新国立競技場は東京五輪のために建設が決まった事業ではないからだ。

 

 小川氏によれば建て替え気運が高まったのは、2019年のラグビーW杯の招致決定がきっかけ。森が最高顧問を務める日本大会成功議連が2011年に建て替え推進決議を行ったことが発端だ。東京五輪の招致決定は2013年。つまりラグビーW杯がまずありきだったのだ。


 こうした歴史的経緯をうっかり忘れるところだった。森の本音は五輪にかこつけて、ラグビーW杯を成功させたいだけなんじゃないか。そのために都からなんとしても500億円を引き出したいのだ。政治家の「当たり前」という言葉にはたいてい裏の思惑がある。

 そもそも都から引っ張ってこようという500億円は、北京五輪の「鳥の巣」の総工費とほぼ同じ額。それに比べ新国立の2520億円がいかにバブリーなお値段かがわかる。

なぜ新国立競技場には東京都が五百億円を出さなければならないのか。現行案が都民から支持されているなら検討の余地もあるかもしれないが、とてもそうは思えない。桝添要一知事は、現行案を支持する都民がどれだけいるのか調査してみるべきではないだろうか

 と小川氏は述べているが、同意である。

*記事のアーカイブ
[ 2015/07/06 16:37 ] sports | TB(-) | CM(0)

06/26のツイートまとめ

thinmustache

RT @Hon_no_Zasshi: 改めまして、みなさまのおかげで「本の雑誌」40周年を無事迎えることができました。ありがとうございました! http://t.co/mY94J4v9h8
06-26 19:35

@kuro_23 たんなる政策勉強会じゃなくて、床屋政談をする「懇話会」だから。あるいは、若手自民党議員の頭のなかでは、百田氏が現代日本の「知性」を代表する作家だと位置づけられているから。あとは彼らが呼べる憲法学者の候補は3人ぐらいしかいないから。そのいずれか。
06-26 17:12

自民党によるメディア規制、前NHK経営委員、百田尚樹が積極加担 http://t.co/mFmHldahSA
06-26 01:31

[ 2015/06/27 03:59 ] twitter | TB(-) | CM(0)

05/30のツイートまとめ

thinmustache

今日の言葉。翁長知事「(政治家は)ピエロになっても消されてもいいから言うべきことを言わないと。政治家は使い捨て。私のみじめさは何でもないが、県民のみじめさは絶対あってはならない」。「使い捨て」という言葉は大阪市長も使った。しかし、その後の言葉の重みが違う。(本日付東京新聞7面)
05-30 14:24

「新国立」建設で文科相が都に求める500億円って、ビル耐震化、集中豪雨など都の災害対策強化予算に匹敵する額。容易には支出できないよ。http://t.co/oIN9RnKA0b
05-30 12:25

某仕事の打合わせで「リテタカ」という言葉がさかんに出て一瞬、ん?となったが、文脈上「ITリテラシーが高い人」の意味と理解。自分は意識高いケーと思っている人のスラング頻用は傍からは見苦しいが、ところで「リテタカ」って略し方、流行ってるの?
05-30 11:26

[ 2015/05/31 00:00 ] twitter | TB(-) | CM(0)

04/15のツイートまとめ

thinmustache

翁長知事と沖縄の覚悟「戦後67年間いじめられながらも『本家』を思ってきた。なのに基地はいやだといっても能面みたいな顔で押しつけてくる。……日本というくびきから外してちょうだいという気持ち」 http://t.co/t0Jnp3QFe1
04-15 00:47

[ 2015/04/16 00:00 ] twitter | TB(-) | CM(0)

04/13のツイートまとめ

thinmustache

こういう「作戦」があったこと自体知らなかった。孤児の乳児たちは箱に入れられるようにして空輸された。RT @VIET_JO 米軍空輸作戦でサイゴンを脱出した子供達、40年経ちDNA鑑定で実親探し http://t.co/2zQRP9dmFO
04-13 11:28

[ 2015/04/14 00:00 ] twitter | TB(-) | CM(0)
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