自民党の国会議員や三流小説家が、言論統制官のごとく「あの新聞をつぶせ!」と怒号する時代がやってまいりました。検閲に魅了される国家主義者たちが、戦後70年の節目に亡霊のように蘇る。雑誌「考える人」メールマガジンの河野通和編集長のエッセイに触発されて……
「生きてゐる兵隊」で発禁処分を受けた達三.その裁判では何が問われたのか.また,戦後のGHQの検閲で問われたこととは? 公判資料や本人の日記,幻の原稿など未公開資料も多数駆使して,言論統制の時代の実像に迫る.取材し報道することの意味を厳しく問い続けて来た著者が抑えがたい自らの問いを発しながら綴る入魂の一冊.
⇒ 佐藤卓己『言論統制──情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』中公新書:
戦後のジャーナリズム研究で、鈴木庫三は最も悪名高い軍人である。戦時中、非協力的な出版社を恫喝し、用紙配給を盾に言論統制を行った張本人とされる。超人的な勉励の末、陸軍から東京帝国大学に派遣された鈴木は、戦争指導の柱となる国防国家の理論を生み出した教育将校でもあった。
鈴木の著作や日記を、各種証言と照らし合わせ、「悪名」成立のプロセスを追うと、通説を覆す事実が続出した。言論弾圧史への新たな照明。
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Author: thinmustache(a.k.a. hiropon)
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