木曜日の午後に「カスレ」を作った。
カスレ(cassoulet)とはフランス南西部の田舎料理。要はトマト味の白いんげん豆煮込みである。
*レシピ
上の写真はにんにく、にんじん、たまねぎ、セロリを炒め終わった後に、鶏もも肉と豚ばら肉とソーセージを投入しようとしているところだ。
この後は茹でたいんげん豆をトマトピューレとオリーブオイル、白ワインで煮込み、最後にパン粉をかけてオーブンで焼く。
オーブン工程がいまひとつうまくいかなかったが、それでもなかなかの味に仕上がったので、夜の「つくばね」に差し入れとして持っていった。
プロに披露するような料理ではないが、それでもなかなか好評。たぶんお腹の空くころだったのだろう、調理人の二人は美味い美味いと平らげてくれた。そのお礼にと、岩牡蠣を一つもらう。
ま、ルクレーゼさまさまと言うところだ。
今日の「つくばね」では、珍しい鯛の真子(卵巣)と肝の甘辛煮をいただいた。真子も肝も微妙にねっとりとして、美味。豆腐を添えてあるのだが、そこに甘辛の醬油の煮汁が浸みこんでいる。
「真子」という言葉が発せられた瞬間、つい「まこ、甘えてばかりでごめんネ」と大将と共に口ずさんでしまうのは、お互い60代であるからだろう。
アベ内閣とそれをとりまく連中の言行がますます劣化する今日この頃。ワイドショー的に面白いところだけ挙げると、筆頭は新国立競技場の設計で聖火台を入れ忘れた話だろう。五輪のメイン会場なんだから、常識的には聖火台は必要。でもあえてそれを外したというのは、何か奇策があるのではないか。
例えば、2020年東京オリンピックの開会式では、古代出雲大社の復元図のような天空に登る階段がグラウンドの下から湧き出てきて、そこを最終ランナーが駆け上がる。もちろんこの聖火台は昇降式なので、点火儀式が終われば、すーっと引っ込むのである。でもこれだと、聖火は開会式と閉会式のときぐらいしか見ることはできないけど。
あるいは、競技場上空で編隊飛行するドローンが聖火台を運んできて、そこに点火すると、再び上空に上がるという仕掛け。日本のドローン技術の精華をお披露目だ。飛行船かなにかで天空高く吊しておけば、空を見上げれば常時拝める。
はたまた、立体画像技術の成果を活かしたヴァーチャル聖火台というのはどうだろう。3Dホログラフィーで聖火は燃え続ける。映像だから聖火台を置くスペースは不要だ。えっ、そいつをどこに上映するんだって。もちろん、聖火を見たい人は、特殊な3Dゴーグルメガネをつけるんよ。
ま、そんな戯れ言はともかく、森五輪組織委会長の「少し頭のおかしな連中が、聖火台忘れて設計図をつくっちゃった」発言は笑える。ゴーマン爺さんの辞書には、もともと「責任」という言葉がないようだ。そのゴーマン列伝に、今度は田母神俊雄(業務上横領容疑者)が加わろうとしている。
この状況はなんだろう。政治のマンガ化なのか、マンガの政治化なのか。いずれにしても戯画化する日本で、私はきょうもせっせとメシをつくる。
前置きが長いが、包丁の話。「雅一心」の銘の入った堺包丁をネット通販で購入した。1万円近くするのを、ゴニョゴニョして3割引。ほんとは「ダマスカス鋼」が欲しくて、それを注文したはずなのだが、なぜか「ゴールド鋼」。小さいサイズを選ぶとき俺が間違っちゃったみたい。ま、いいか。大根だって人参だってよく切れるし。
「丸山和也」ってのは、アホなテレビ番組で顔を売って自民党議員になった奴だよね。橋下徹の先鞭をつけたタレント弁護士。安保法制の“凶行”採決時には議場にいて、身体を張ってた。でも弁護士にしては、というか、そこそこ教育を受けたはずの人にしては品格がない。というか、もう70歳らしいから、恍惚状態になってきたのでないかと他人事ながら心配する。
2月17日の参議院憲法審査会では、痴呆症状を疑わせるに十分な珍説を披露していた。
Wikipediaで紹介された発言全文を読むと、どうやら、日本がアメリカの一部になれば、日本から多数の下院議員が登場し、日本「州」出身者が大統領になる可能性もある、それはダイナミックな変化だ、と言いたいようだが、これ、憲法審査会の審議とどういう関係があるのか。
オバマ大統領の出自についての誤解以上に、そもそも日本がアメリカの一部になるという仮説自体が、本人も言うように「バカみたいな」話だ。「アメリカの第51番目の州になるということについてですね、憲法上どのような問題があるのか、ないのか」と言われましても、それは一つの国家が消滅するということであって、憲法以前の問題だろうが……。暴言というよりは妄言。法律の専門家が発する質問ではない。
アメリカはダイナミックな国。日本も憲法を変えてダイナミックに変化していくべきだ、ということを言いたいのか。それとも、敗戦後一貫して続く、米国の属国としての日本の“国がら”を問題にしたいのだろうか。よくわからない。意味不明。
こんなレベルの人が憲法を議論している。貴重な税金を使って時間を浪費している。ここに至っては認知症患者に自動車免許を更新するようなものだ。なんらかの行政措置を取るべきだろう。
……などと、再びむしゃくしゃした日に作った、「棒々鶏」と「ゆで野菜の胡麻ソースかけ」。鶏肉はササミを使ったのだが茹ですぎて固くなってしまった。バンバンジーのソースもレシピに沿って自作したのだが、もうちょっと湯を足して緩めにすればよかった。しばし反省する。
高市早苗がファシストとしての本性も露わに、「憲法改正に反対する報道を続けたテレビは停波処分にして締め上げちゃうぞ」と国会で、メディアをそして国民を恫喝した日、あんまりむしゃくしゃしたので、NHK「きょうの料理」から、落合務シェフの「鶏もも肉のイタリアンみぞれ煮」ってのを作ってみた。レシピはこんな感じ。
要はトマトベースのソースで鶏肉を煮ながら、最後に大根と蕪のおろしをからめる、というもの。上にのっているのは、ローズマリーである。
パセリやローズマリーを使うときは、必ずサイモンとガーファンクルの「スカボローフェア」を口ずさむお歳ごろである。見た目以上に美味しかったぞ。
久しぶりにブログを更新しようと思ったが、あんまりネタがない。仕方がないので、年末から久々に復活している自炊料理のことなど。
例えば、ナメタガレイの煮付け。スーパーで北海道産の子持ちの切り身を一つ買ってきて、それを酒、醬油、みりんなどで味付けるだけの簡単料理だが、ナメタが新鮮なのだろうか。これがたいそう美味かった。
卵巣はいったん身から外して煮た方が美味いのだとか。北海道ではこれを「ババガレイ」と呼ぶそうな。外見が薄汚れていて、皮がぶよぶよしていて老婆のようだというのだが、なんと失礼な。裏側はほんのりピンクの色白で、上品な甘味ですよ。
というわけで、今年の目標は毎日最低一回は自分で料理を作ること。といっても、簡単な煮物だとか炒飯だとか、そんなものしかできないけれど。ただ、味噌汁だけはたとえ一杯でも、きちんと出汁から取るのが私の流儀ではある。
Author: thinmustache(a.k.a. hiropon)
よしなしごとを書き散らかしております。